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敷地は都内の住宅地にあり、東側と北側の2面道路に面した角地に位置している。
88㎡という限られた敷地の中で、親世帯と子世帯の独立性が保たれた完全分離型の2世帯住宅が求められ、さらに1台分の駐車場が必要とされた。

それらを実現するため、敷地を道路角から斜めに2分割するように捉え、東側を親世帯、北側を子世帯のエリアとして、それぞれに独立した2階建て+ロフト付き住宅を成立させている。

建物は、道路の角側に駐車場を設け、それを中心にL字型の配置としている。敷地を斜めに2分割したラインに沿って、住戸の界壁を設けることで、互いの窓から視線が合わない配置となり、プライバシーを守りながら生活することが可能となっている。

各階の構成は、1階は、道路の角から斜めに駐車スペース設け、その両脇を各々のアプローチ空間として、東側道路と北側道路の、それぞれから各住戸へとアプローチする。親世帯はアトリエと水廻り、子世帯は寝室と水廻りを配置している。また、南東の角には中庭を設けることで1階まで採光が届く計画としている。

2階は、それぞれのLDKを配置し、吹き抜けとロフトによって解放感のある空間を確保している。L字型の建物配置によって、LDKに大開口を設けていても視線が交差しない計画となっている。また、2階には共有のテラスを設け、各々の住戸が緩やかにつながることで、完全分離型の2世帯でありながら、自然に家族間のコミュニケーションが生み出される空間となっている。

建物全体としては、独立した2つの住戸をR形状の外壁で包み込むことで、それぞれの世帯の距離感を保ちながらも、建物全体としての一体感を生み出している。

限られたスペースを最大限に活用し、プライバシーと一体感という相反する要素を、L字型配置とR形状の外壁によって調和させた、都心における二世帯住宅のかたちが実現している。

所在地/東京都
規模/地上2階
延床面積/141.24m2
構造/木造+鉄骨造