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住宅はその内部で浴室・個室等の閉じた部分とLDK等の開いた部分があり、開いた部分の中にも機能によって開き方に差が出てくる。両者の配置の仕方によってお互いの特性を強め、より密接な関係となること、住宅内部における開き方について考察した。

建主は車やバイクが趣味であり、それらをビルトインしたセキュリティの高い住宅が望まれた。ガレージはLDKと共に開いた部分に属し、各機能の特性によってそれぞれの床レベルが決定され、天井高5785mmの空間に配置されている。それらは床の高さによって緩やかに分節されつつ連続した空間となっている。開いた機能に必要な天井高を確保するよう閉じた部分を立体的に配置することで、開いた部分はさらに柔らかく分節され、丁度土を掘り進んだような立体的な図と地の関係となっている。大きな仕切りのない空間に閉じた部分が連続的な形となって立体的に現れ、小さな開口部によって開いた部分と視線的に関係している。閉じた部分は外壁を貫くとその間口一杯の開口として外部に現れて、外部に開き、内部に閉じることで、住宅としてのまとまりにおいて個室としての独立性を強めている。

開いた部分からは閉じた部分は空間を特徴付け、分節する“形”として認識され、閉じた部分からは開いた部分は“空間”として何処からでも認識される。

所在地/神奈川県
規模/地上2
延床面積/101.86m2
構造/木造
総工費/1,780万円